新潟大学では、新潟県特有の地域課題である「建設業の技術者不足」「中小企業・小規模事業者の後継者不足」の解決を図るべく、域内企業や学生等へのリカレント教育を行い、将来的に企業の中のリーダー役を担える人材の育成をめざし、プログラムの中で様々な講座を展開しており、その中の1つに今回ご紹介する「イントレプレナー養成講座」があります。
講座内では、株式会社NTT DXパートナー社の「架空商品モール」という生成AIツールを活用したアイデア創出、フィールドワークを通じた仮説検証、POC検証まで実施し、企業の中で新規事業を創出するために必要なマインドの醸成とスキルの習得をめざします。
今年度は2025年12月12日から2026年3月9日の期間、全5回の講座を開講し、株式会社NTT DXパートナーシニアマネージャー片岡直之氏を講師として、9名が受講しました。参加企業2社(株式会社青芳、新和メッキ工業株式会社)が、実際に新商品の試作品を完成させる成果が得られたほか、経営者自身の意識変革や社員のマインドセットの変化など、人材育成の面でも顕著な成果が確認されました。
講座の様子



今回は、プログラム修了後に受講企業である「株式会社堀内組 塚野 玖美 様」からお話を伺いました。
1. 受講前の課題意識と講座参加の動機
なぜ「イントレプレナー養成講座」を受講しようと思ったのですか?商品開発における悩みなどはありましたか?
会社から講座の案内があり参加を決めました。以前から新しいことを学びたいという思いがあり、新規事業に関心はあったものの、アイデアを形にする方法や何から始めればよいか分からない状態でした。そのため、新規事業創出の考え方を学べるということで参加を決めました。
2. 講座での具体的な学びとマインドセットの変化
講義やワークショップを通じて、視点や考え方にどのような変化がありましたか?
新規事業創出では、「良いアイデアを出すことが最重要」と思っていましたが、アイデア起点ではなく、人(ペルソナ)起点で考えるという発想に大きく驚きを感じました。デザイン思考を初めて学び、ペルソナ設定やカスタマージャーニー、ユーザーインタビューなどから商品を考えるプロセスを理解できた点が大きな変化でした。
3. 商品開発の過程で印象に残っているエピソード
開発の過程で苦労したことや、面白かったと感じる点はどこですか?
ユーザーインタビューが最も印象に残っています。「メモリアルオブジェ」にニーズがあるのか調査をするため、想定されるターゲットへインタビューを実施すると、重視されていたのは機能性よりも感情面の価値であったりと、仮説と実態のズレを体感できました。自分達の考えが外れることもあると学べた点が強く印象に残っています。
苦労したした点としては、チーム内でのアイデア出しです。最初は「この意見を出してよいのか」と迷いがありました。ただ、どんなアイデアも否定しない雰囲気やサポートのおかげで、徐々に気にせず意見を出せるようになりました。
4. 受講の成果と今後の展望
受講を通じて得られた成果と、今後の展開について教えてください。
アイデア起点ではなく、ペルソナ設定やユーザーインタビューを重視するデザイン思考の考え方を実践的に習得しました。仮説検証を通じて、自分の想定とユーザーの実態の違いを受け入れ、柔軟に考えを修正する姿勢が身につきました。
今後は、学んだデザイン思考を、採用業務や空き家活用などの新規事業検討に応用していきたいと考えています。引き続きデザイン思考の理解を深めながら、人起点で価値を考える姿勢を日常業務の中で実践していきたいと考えています。
5. 次年度の受講を検討している企業へのメッセージ
どのような方にこの講座を勧めたいですか?
新しいことに挑戦したいが、何から始めればよいか分からない人におすすめです。アイデア出しだけでなく、顧客理解、検証、ビジネスとして形にするところまで一連の流れを実践できる点が、この講座の大きな魅力だと思います。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
新潟大学は、今後も地域企業・地域社会の抱える課題の解決に資する機会を設け、人材の確保や育成、新産業創出などを通した企業の魅力向上に向けて取り組んでまいります。

社内起業家を育てる「イントレプレナー養成講座」Vol. 3
株式会社堀内組 塚野 玖美 様
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